しかし・・・
家内が一番不満だった階段室の壁紙は何も改善されておりません。
そもそもの発端となったリビングのスイッチ周りの不陸と、家じゅうの出隅にあった壁紙の浮きは修正済みです。(^^)
まぁ、そこはこちらも「このままでイイ」と(仕方無くとはいえ)了承したので、
今となってはわだかまりはありませんが、現場監督さんと話していてチョット見えてきた事があるので
何かの参考になるかもしれないと思い、書き記しておきます。
そもそも、このクレームからやり直しに至る一連の流れは
竣工時の施主検査の時に行われてしかるべきでした。
不陸、テカリを始めとする壁紙の仕上がりに対する不満(以下、不具合と記します)は
かなり早い段階で気付いて指摘していました。
※上記の不陸やテカリなどの「不具合」は、光線が特定の当たり方をした場合「のみ」に出現するもので、普段は非常に美しい状態を保っています。
しかし、現場監督もm4さんも「この壁紙の場合、これは仕方無い」というスタンスで、
これは最後まで(今でも)変わりませんでした。
そういう事情もあって、施主検査でも改めてm1さん(建築家)に指摘をしましたが、
スルーされました。
それでも気に入らないのだから、引き渡しを拒否してやり直してもらうべきだったのかもしれません。
しかし、施主検査で指摘したにも関わらず、施主サイドに立脚している建築家(m1さん)すら
「こういうモンです」と言わんばかりの態度だったので、
この不具合は施主が受忍する範囲内なのだと、私たちは思ったのです。
ましてや我々は初めての家づくり、ですからこの辺のサジ加減は全く分かりませんでした。
そういった事情もあり、渋々ながら引き渡しを受けた、という経緯があります。
でも最終的に我慢出来ず、後になって補修するハメになった事については申し訳なく思っております。
ここからが、本題です。
補修が終わって現場監督さんと雑談していた中での話です。
N工務店さんはm1さんの物件を手掛ける事が多いのですが、
他の物件でこの壁紙にクレームが出た事はないのか、という話をしていたんですね。
ちなみにウチの場合、こういう不具合が出る可能性に付いての建築家からの事前説明はあるにはありましたが「殆ど気にならないレベルと思いますよ」といったニュアンスで、チラッと触れただけでした。
家内の記憶です。私は全く覚えていません。その程度の説明だった、という事です。
「これだけ不具合がでるなら、施工前に施主にサンプルを見せた方がイイと思いますよ」
家内のこの言葉に対する現場監督さんの返事ですべての謎が解けました。
この壁紙を使うと絶対こうなるから、っていつもいつもm1さんに言うんですが・・・ヽ(;´Д`)ノヤメテー
それでもm1さんは馬耳東風といった塩梅で、クロス張りの時はいつもこの壁紙を指定するそうです。
画像はお借りしました m( _ _)m
これで、施主検査の時に壁紙の不具合を訴えてもm1さんがスルーした理由が分かりました。
つまりこういう事です。
m1さんは施工前に工務店から「この壁紙を使うと不具合が出るから止めた方がいい」と
進言されていたのです。しかし工務店の反対を押し切ってこの壁紙を使う事にしたのです。
施主検査で私たちの不満を汲んでやり直しを指示すると、
工務店側から「だから言ったじゃないですか」と言われるのは必定。
そうなると今度は自分達の責任問題になってしまうのです。
いつも私たちの側に立って味方してくれていたm1さん達が、
あの時に限って沈黙したのが凄く不可解だったのですが、これですべて腑に落ちました。
また、いつも味方だったm1さん達が、何も言わなかったからこそ、
私たちも「ああ、この不具合は我慢してしかるべきレベルなんだな」と思ったのです。
これだけ不具合が出るリスクを負ってまで、この壁紙にこだわった理由は一つでしょう。
m1さんも建築家としてのこだわりを優先して住み易さを犠牲にするような設計はしていませんし、
この要望は叶えられたと思っています。それでも彼らにとってはあくまで「作品」だったのです。
故に、工務店から反対されても、不具合が出るリスクがあっても、この壁紙にこだわったのでしょう。
別に必要ない情報だと思っていたので今まで書きませんでしたが、
実はm1さんはかなりの売れっ子建築家です。
これまでに(今でも)かなりの数の住宅を手掛けており、
その大半は私たちの家の倍以上もするような予算を惜しみなくつぎ込んだ大邸宅です。
いわゆる「賞」もたくさん受賞しておられます。
代表作と言われるような「作品」とは違って、彼らにとって我が家は「one of them」に過ぎないでしょうが、それでもクオリティーをないがしろにするような事はしなかった・・・。
スピリット的な意味合いです。当然そういう大邸宅は本物の塗り壁に決まってるでしょうから(笑)
たとえ我が家は「one of them」であったとしても、「special」な邸宅と違わぬ情熱を込めてくれたんだなぁ、と私は好意的に受け止めています。
家内があれだけ嫌がった階段室の不具合を我慢する決断を下したのも、
そういう所を感じていたからだと思います。
建築家というのは基本的には施主に寄り添って仕事をしてくれます。
ですが、時として施主の意に反する事であってもその矜持を押し通そうとする事があります。
ですがそれは建築家のエゴイズムではなく、施主に少しでも良い空間を提供するためのものであるはずです。
でも真っ当な建築家なら、そんな時でもリスクやデメリットは事前に説明してくれるはずです。
我が家の場合はちょっぴり控えめなアピールだったのでスルーしてしまい、
結果的に大事になってしまいましたが・・・・・。(^^;;
もしも、打ち合わせで建築家がデメリットやリスク等ネガティブな話題を口にしたら、
そこはしっかり掘り下げて、とことん話し合って下さい。
可能であれば施工例やサンプルを実際に目に出来るよう要望しましょう。
そして、ネガティブな面を全て把握した上で納得ずくでその案を受け入れる事をお勧めいたします。
「受け入れる」事がキモです。
我が家は事前に不具合のサンプルを見ていたら、別の壁紙を採用していたと思います。
ですが、「普通の壁紙を使って建売り感満載に仕上がった我が家」と、
「たとえ不具合はあっても質感は高い今の我が家」を想像上で比べてみれば、
建築家の提案通り、つまり今の家の方がトータルでの満足度は高いと断言出来ます。
建築家はダテにこれで飯を食っている訳じゃありません。(笑)
よっぽど受け入れ難い提案でない限りは、素直に従うのが吉と言えるでしょう。
・・・・・あれ?
トイレの壁紙、ダメって言われたのはきっと気のせいだよね。(・ω<) テヘペロ
9月26日追記
長々と書きましたが、
読者の方々がコメント欄にて私の言いたい事を分かりやすく且つ簡潔に書いて下さっています。
是非ご一読下さい。
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