(ありがとうございます!)
引き続き、クソ面倒くさい透湿抵抗の話を続けます。(^^)
壁紙(ビニールクロス)があるから防湿層は不要、という一応の結論を見たものの
イマイチ納得がいかない私。
ビニールクロスは構造用合板の6倍から8倍の透湿抵抗を有する、
と書いてありますが、根拠は明示されていません。
複数のソースがあれば納得出来るのですが、他には見当たりませんでした。
壁紙はサンゲツの製品を使う事になっているので、メーカーに問い合わせましたが
透湿抵抗のデータは持っていない、との事。
ですが、
サンゲツのサイトで「一般ビニール壁紙の透湿性試験の数値」を発見しました。
それによると、「約100(g/m2・24h)」だそうです。条件は気温40度、湿度90%。
これは「気温40度、湿度90%で1平方メートルのビニールクロスは24時間に100グラムの水蒸気を通す」という意味です。
よーし、これをベースに自分で計算しちゃうぞー! φ(。_。*)
サンゲツの「一般ビニール壁紙の透湿性試験の数値」は、JIS Z 0208 B法で算出とあります。
ググってみると、別名を「カップ法」というそうです。
定義 透湿度とは,一定時間に単位面積の膜状物質を通過する水蒸気の量をいい,この規格では,温度 25℃又は 40℃において防湿包装材料を境界面とし,一方の側の空気を相対湿度 90%,他の側の空気を吸湿剤によって乾燥状態に保ったとき,24 時間にこの境界面を通過する水蒸気の質量 (g) を,その材料1m2当たりに換算した値をその材料の透湿度と定める。
つまり、カップに試材でフタをして24時間で通過する水蒸気を測定する、という試験です(よね?)
まず前提として、透湿抵抗の単位は「m2・s・Pa/ng」です。
サンゲツのサイトに載っていた「約100(g/m2・24h)」を
「m2・s・Pa/ng」に換算するため以下の手順を踏みました。
(1)「m2・s・Pa/ng」に換算する為に「g/m2・24h」を「ng/m2・s」に換算します。
ngはナノグラムで0.000000001(10のマイナス9乗)グラム、sは秒で24時間は86400秒です。
したがって、100*10の9乗/86400=1157407.4(ng/m2・s)となります。
これがビニールクロスの「透湿度」です。
(2)気温40度、湿度90%の水蒸気圧(Pa)を求めます。
40度の飽和水蒸気圧は73.77hPa。湿度90%なので73.77*0.9=66.393hPa。
1hPa=100Paなので、66.393*100=6639.3Pa。
(3)透湿抵抗の算出式「Zp=(P1-P2)*A/G」に当てはめる。
Zpが透湿抵抗、P1はカップの外(40度90%)の水蒸気圧、P2はカップ内の水蒸気圧(0Pa)、
Aは透湿面積(単位は平方メートル、今回の場合1m2)、Gは透湿量(ng/s)。
Gに関しては(1)の透湿度の単位ng/m2・sより、この場合面積m2が「1」なので透湿度の数値と同じになります。
透湿抵抗Zp=(6639.3-0)*1/1157407.4=6639.3/1157407.4=0.0057363(m2・s・Pa/ng)
ビニールクロスの透湿抵抗は0.0057363(m2・s・Pa/ng)
となります。間違ってたらゴメンなさい・・・てかココまでやって違ってたら泣きます。(^^;;
さて、構造用合板(12mm)の透湿抵抗は0.011です。(
ソース)
我が家の場合9.5mmなので透湿抵抗は0.0085595です。
壁紙の方が構造用合板より透湿抵抗が低いですね・・・・・(。-`ω-)ムー
したがって、防湿層無しで透湿抵抗比2:1以上には成りません。
結論。残念ながらビニールクロスは防湿層の代わりには成り得ません。
疲れた〜。今回はさすがに完走者ゼロかな?(笑)
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